今年こそ、未来に希望を 会長 内山治夫

朝日新聞の別冊グローブ1月号(GLOBE,2018/1/7付)によれば、「100歳時代がやってくる」の中で「2015年に50歳だった人の10人のうち1人は100歳まで生きる」「2007年生まれの半数が107歳まで生きる」と予測している記事が紹介されている。2016年の人口でみてみると、50歳~54歳(790万9千人)の人では79万9百人が100歳を迎え、2007年生まれの10歳~14歳(551万4千人)の半数の275万人が107歳まで生きることになる。2016年の100歳以上は65,692人だから12倍に達すると推計される。とてつもない数字である。どんな社会を迎えるだろうか?

一人暮らし高齢者は、2017年のデータで男性192万人、女性400万人(2017年度版高齢社会白書)であったものが、中央大学山田昌弘教授は「40年には、年間20万人の人が孤独死する」と予測している。現在の少子化がこのまま続けば、将来、「棄民」が現実的なことに成りそうである。

年金とか医療などの社会保障をどうするかという問題よりは、少子化・人口減少問題の有効な手立てをすぐにも実施しないと日本は「沈没する」かも知れない。

来年・2018年度の国家予算案では、将来の子どもに関する予算として「子育て・医療介護・教育」に対する主要な事業予算(朝日新聞朝刊2017/12/23付)では、合わせて約2000億円を新たに手当てするとしている。これで、高齢者が取り残される「限界集落」「消滅自治体」による「高齢者棄民」や「介護棄民」の後に「日本沈没」が垣間見られる将来を回避することが出来るだろうか。

NHKスペシャル「私たちのこれから『子どもたちの未来を考える』」(2017/6/4放送)の中で、日本の子どもたちの2016年の相対的貧困率16.3%、ひとり親家庭54.6%を紹介しながら、貧困が「自分は価値ある人間か」の問いに否定的な考えを持つ若者が、標準的な家庭の2倍に達する。また、経済的な理由からクラブ活動に参加できない、大学進学をあきらめるなどの目に見えない格差が広がっていると報告している。

相対的貧困を解決するために、イギリスでは1990年の相対的貧困率25%、4人に1人が貧困状態にあったものを、ブレア政権は2020年までに「貧困を撲滅する」と宣言し、①親の就労支援、②貧しい世帯の保育サービスの拡充、③現金給付の施策を実施した。現金給付は16歳未満に支給される児童手当を1.6倍に引き上げ、年間6兆円、従来の2.6倍の現金給付を実施した。その結果、貧困率は1997年27%から2012年17%と10ポイントも低下させた。子どもの110万人が貧困から脱出できたと紹介された。イギリスは、やはり福祉先進国だと改めて思った。

驚きは、思い切った政策である。年間6兆円をつぎ込む大胆な政策は、今日の日本政府にも望みたい政策である。2018年度では、国債費は33兆円を発行するが、従来の伸びきった少子化・高齢化政策を解消するための予算措置は精査して減債にし、新たな「発想の転換による少子化政策」を推進することに限定した国債を毎年6兆円発行し、10年間政策を継続することにより、未来ある希望に満ちた社会を実現することが、今、一番求められている。イギリスにできて、日本にできないことはないと確信する。